SKE48劇場公演は12人制でいいのか 16人公演の魅力と、今の人数で守るべき現実

SKE48劇場公演の人数について、ここ最近あらためて「12人公演か、16人公演か」という話題を目にすることがあります。

現在のSKE48劇場では、チーム公演を含めて12人編成が標準になっています。一方で、かつての48グループ劇場公演は16人公演が基本でした。そのため、長くSKE48を見てきたファンほど「やはり16人の方が劇場公演らしい」と感じる場面もあると思います。

ただ、今のSKE48の人数構成、チーム制、公演数、メンバーの負担を考えると、単純に「16人公演に戻せばいい」と言える話ではないのではないでしょうか。


12人公演のメリットとデメリット

12人公演の大きなメリットは、ひとりひとりの見せ場が増えることです。

人数が少ない分、ステージ上でメンバーの表情や動きが見えやすくなり、ダンスを大きく見せられるメンバーはより印象に残ります。フォーメーションも整理されやすく、外仕事や休演があった場合にも、公演を止めずに回しやすいという運営面での利点もあります。


項目メリットデメリット
見え方一人あたりの見せ場が増え、表情やダンスが見えやすい劇場全体の密度は薄く見える場合がある
演目との相性少人数ライブとして個を見せやすい16人前提の演目では物足りなさが出ることもある
運営面スケジュールを組みやすく、公演を止めずに回しやすいチーム内で出演できないメンバーが出やすい
メンバーの立ち位置センターやフロント、個々の役割が分かりやすいスタベン、ローテーション要員の問題が目立ちやすい
48グループらしさ今の時代の少人数アイドルとして見せやすい群舞の厚みや、劇場いっぱいに広がる迫力は弱くなる



つまり12人制は、個人を大きく見せること、そして今の人数で公演を安定して回すことには向いています。

一方で、チームに15人前後のメンバーがいる場合、どうしても毎回出演できないメンバーが出ます。ここに不満や寂しさが生まれるのも自然です。

16人公演の魅力と現実

16人公演には、やはり独特の迫力があります。

劇場の端までメンバーがいる密度。群舞の厚み。ユニット曲の幅。チーム全員に近い人数がステージに立てる安心感。これは12人公演では出しにくい魅力です。

項目メリットデメリット
見え方劇場全体の密度が増し、群舞の迫力が出る一人あたりの見せ場は少なくなり、端や後列のメンバーは見えにくい
チーム感チーム公演らしい一体感が出る出演機会の差やポジション争い自体は残る
演目との相性昔ながらの48グループ劇場公演の形に近い現在の人数構成では、安定維持が難しい
運営面チームほぼ全員がレギュラーに近い形で出られる欠員が出ると、公演を回す負担が大きくなる
ファン心理「劇場公演らしさ」を強く感じやすい懐かしさだけで戻すと、現場の負担とズレる可能性がある

ただ、現在のSKE48で3チーム制を維持しながら、すべてを16人公演で回すのはかなり難しいと思います。

そもそも3チームともメンバーが16人いない上に、外仕事、体調不良、学業、個人活動、怪我のリスクもあります。テーピングをしながら公演に臨むメンバーも少なくありません。16人公演にこだわりすぎると、公演そのものが止まりやすくなる可能性もあります。

「研究生を入れればいい」という意見もありますが、それも簡単ではありません。研究生に複数ポジションを覚えさせ続ければ、当然ながら負担は増えます。その結果、怪我やコンディション不良が起きた時に、今度は「運営は何をしているんだ」となるのであれば、かなり都合のいい話になってしまいます。

現在のSKE48劇場は5本の公演が並走している

現在のSKE48劇場では、複数の公演が並走しています。

  • チームS「ずっと君を探している」公演
  • チームKⅡ「シアターの女神」公演
  • チームE「RESET」公演
  • 混合「制服の芽」公演
  • 12期生・13期生中心「可能性こそが未来」公演

チーム公演だけでなく、チームをまたいで出演できる「制服の芽」、若手中心の「可能性こそが未来」があることは、今のSKE48にとってかなり大きいと思います。

チーム公演で毎回出演できないメンバーにとっても、別の公演で存在感を示す場所があるからです。

もちろん、複数ポジションを覚える負担はあります。そこを美談として消費しすぎるのは危ういです。

ただ、チーム公演のスタメンだけがすべてではなくなっているのも事実です。チーム外の公演で頭角を現し、自チーム公演に出た時に「このメンバーは外せない」と思わせることができれば、道は開ける可能性があります。

昔は「昇格できない」という閉塞感もあった

今の状況を考える時に忘れてはいけないのは、以前のSKE48には各チーム16人定員制の時代があったことです。

その時代は、どれだけ優れた研究生でも、チームに空きがなければ昇格できませんでした。

今は「昇格できるけれど、チーム公演では毎回出られない」という問題があります。一方で、昔は「そもそも昇格できない」という閉塞感がありました。

どちらが良い悪いというより、時代によって問題の形が変わっているのだと思います。

今の若手にとって、スタベンやローテーション要員になることはつらいはずです。特に、少しずつ力を伸ばしていくタイプのメンバーにとっては、固定のポジションがない状況に絶望してしまうこともあるかもしれません。

長く頑張ってきたメンバーも大切です。

一方で、枠が空くのを待つ若手の時間もまた大切です。

枠は限られています。

だからこそ、誰かを一方的にかわいそうと見るだけではなく、

構造そのものを考える必要があります。

「みんなみんな」と「じゃあお前、代わってやれよ」

SKE48のファンにとって、「みんなみんな」という言葉はとても大切なものです。

大矢真那さんのブログから広がったこの言葉には、SKE48のメンバーやファンを大きく包み込むような温かさがあります。誰か一人だけではなく、みんなでSKE48を好きでいる。みんなで支える。そういう空気を作ってきた言葉でもあります。

ただ、その「みんなみんな」を、都合のよいルール変更の旗印のように使ってしまうのは違うと思います。

「出られないメンバーがかわいそうだから、16人に戻そう」「全員出せる形に変えよう」という気持ちは分かります。しかし、そこには必ず別の現実があります。

同じく大矢真那さんは、「じゃあお前、代わってやれよ」という言葉についても語っています。

当時、なかなかステージに上がる機会がない研究生について、大矢さんがスタッフに「あんなに頑張ってるんだから、公演に出してあげてください」と伝えたところ、返ってきたのがこの言葉だったとされています。

一見すると厳しい言葉です。

しかし、誰かが上がれば、誰かが下がる。アイドルの現実はそこにあります。

「みんなみんな」という温かい言葉と、「じゃあお前、代わってやれよ」という厳しい現実。そのどちらも、大矢真那さんが残してきたSKE48の大切な文脈です。

だからこそ、「みんなみんな」だけを切り取って、競争やポジションの現実をなかったことにするのは違うのではないでしょうか。

メンバーはゲームの駒ではありません。

誰かを出すということは、誰かの出演機会が減るということでもあります。だからこそ、単純に「全員出せばいい」「16人に戻せばいい」と言うだけでは解決しません。

“報われるべき”だけで終わらせないために

SKE48では、たくさんのポジションを覚え、公演を支えてきたメンバーが何度も称賛されてきました。

その努力は本当にすごいことです。

ただ、「鉄人」と呼ばれるほど多くのポジションを覚えることが、アイドルとして本来目指すべき形なのかは考える必要があります。

振り覚えの速さは大切です。公演を支えられる力も大切です。

しかし、振り覚えが速いメンバーばかりが重宝される空気が強くなりすぎると、振り覚えは遅いけれど歌がうまい、ダンスは不器用だけれど表情が魅力的、ステージ以外で強い個性がある、そういうメンバーを見落としてしまう可能性もあります。

「報われるべき」という言葉は温かいです。

でも、言うだけで満足してしまうと、実際にはあまり報われないまま終わってしまうこともあります。

ファンが本当に支えるなら、システムを無理に曲げることではなく、そのメンバーが見つかる理由を一緒に作ることの方が大切なのではないでしょうか。

新公演が見えている今、12人制は現実的な選択では

近年のSKE48は、新公演への移行スパンが以前より短くなっています。

昔は、そもそも次の新公演が来るのかどうかすら分からない時期もありました。

しかし、2022年のチームS「愛を君に、愛を僕に」、2023年のチームE「声出していこーぜ!!!」、そして2026年のチームS「ずっと君を探している」という流れを見ると、次にチームKⅡ、チームEの新公演が続いていく可能性も期待できます。

これは、他の48グループと比べてもかなり恵まれた状況だと思います。

新公演があり、チーム外の公演もあり、若手公演もある。

そう考えると、現状の人数を超えた負担をメンバーにかけてまで、無理に16人制へ戻すのが最善とは言い切れません。

今のSKE48の体力、人数、スケジュールを考えれば、12人制はかなり現実的な選択だと思います。

ファンもアップデートが必要かもしれない

「みんなみんな」は、SKE48らしい大切な言葉です。

ただし、それは競争や選抜、ポジション争いから目を背けるための言葉ではないはずです。

メンバーや運営がバンテリンドームを目指し、もっと上へ行こうとしているなら、ファンもまた時代に合わせて考え方をアップデートする必要があるのではないでしょうか。

「出られないメンバーがかわいそうだから、システムを変えよう」ではなく、「そのメンバーが見つかるために、どう応援するか」を考える。

「長く頑張っているから報われるべき」だけではなく、「今、外に向けて何を打ち出せるか」を見る。

理想論だけで人数を増やしたり、負担を押し付けたりするのではなく、現実的に続けられる形を考える必要があります。

「みんなみんな」を都合のよいルール変更の旗印にするのではなく、今のルールの中でどうメンバーを見つけ、どう支えるのか。

そこを考えることも、今のSKE48を応援するうえで大切な視点なのかもしれません。

12人制の中で、どう見つかるか

まとめると、今のSKE48においては12人制がベターなのではないかと思います。

16人公演の魅力は間違いなくあります。

しかし、現在の人数、3チーム制、公演数、メンバーの負担、外仕事との両立を考えると、12人制はかなり現実的な落としどころです。

そのうえで、チーム公演の出演機会が限られるメンバーは、チーム外の公演で頭角を現す努力をすること。

自チーム公演に出られた時には、「次も見たい」「このメンバーは外せない」と思わせるパフォーマンスをすること。

そしてX、Instagram、TikTokなど、与えられた発信手段で外に見つけてもらう工夫を続けること。

ファンは、そんなメンバーを支えること。

ただし、システムを無理に曲げて“救済”しようとするのではなく、そのメンバー自身の魅力が届くように応援することが大切だと思います。

今のSKE48は、若手のパフォーマンス平均値も上がっています。12期生、13期生、14期生にも、劇場で十分に戦えるメンバーが増えています。

だからこそ必要なのは、昔の形に戻すことではなく、今の形の中でどう見つかるか。

12人公演は、そのための現実的な舞台でもあるのではないでしょうか。

文:ステージノート

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