前日は迷惑行為への警告、翌日は企業の対応方針 SKE48が続けて発表した意味
強い注意喚起が出た、その翌日にも新たなお知らせが届きました。
SKE48は2026年10月1日、「カスタマーハラスメントに対する対応方針のお知らせ」を公開。メンバーや従業員等の安全と尊厳を守るため、社会通念上許容される範囲を超えた要求や言動に対応する方針を示しました。
前日の9月30日には、迷惑行為への法的措置や入場禁止などを具体的に示す注意喚起を発表したばかり。なぜ、2日続けて関連するお知らせが出たのでしょうか。
今回押さえておきたいのは、10月1日が、企業にカスタマーハラスメント防止措置を義務付ける改正法の施行日だったという点です。
前日の「具体的な警告」と、翌日の「企業としての対応方針」
前回の記事では、2020年・2025年の注意喚起と比較し、9月30日の発表が対象とする行為や、対応方法の具体性について整理しました。
SNSでの誹謗中傷、待ち伏せ・つきまとい、チケット取得をめぐる不正、来場者同士のトラブル、悪質な注文行為。問題となる行為を挙げ、法的措置や参加拒否などにつながり得ることを示した内容でした。
SKE48の注意喚起はどう変わった?2020年・2025年と比較して見える今回の特徴
これに対し、10月1日のお知らせでは、カスタマーハラスメントの定義や該当し得る行為を整理し、KeyHolderグループの対応方針を案内しています。
さらに末尾では、前日の注意喚起を「本方針とも関連した内容」として直接紹介。2つのお知らせが関連するものであることは、運営自身が明示しています。
| 発表 | 中心となる内容 |
|---|---|
| 9月30日 迷惑行為への注意喚起 |
具体的な問題行動と、法的措置・入場禁止など取り得る対応を提示 |
| 10月1日 カスハラ対応方針 |
定義・行為例・保護対象を整理し、グループの組織的な対応方針を案内 |
発表の役割としては、「問題となる行為と対応を具体的に知らせ、そのうえで企業として守る仕組みを示した」と読むことができます。
ただし、9月30日の注意喚起を施行日前日に合わせて出したという内部の判断までは、公表されていません。2つの文書のつながりと、発表日程を決めた意図は分けて考える必要があります。
10月1日から義務化されたのは、企業側の防止措置
厚生労働省によると、改正労働施策総合推進法により、2026年10月1日からカスタマーハラスメント防止措置が事業主の義務となりました。
政府広報オンラインも、施行を前に次のように案内しています。
10月1日から、全ての企業で、カスハラ及び求職者等に対するセクハラ対策が義務化されます。
— 政府広報オンライン (@gov_online) September 30, 2026
ハラスメントについて詳しくは、厚生労働省ウェブサイトをご確認ください👇https://t.co/bAUsOi03h0
※10月1日から4日にかけて、新聞各紙にモノクロの広告を順次掲載しています。 pic.twitter.com/xnXDjOer4n
ここで重要なのは、「ファンへの禁止事項が増えた」という面だけでなく、企業側が、働く人を守るための対策を講じる義務を負うということです。
求められるのは、方針の周知、相談できる体制の整備、被害が起きた場合の適切な対応など。現場で問題が起きたとき、対応したスタッフ個人の我慢や判断に任せきりにしないための仕組みです。
なお、今回の義務化は、10月1日から迷惑行為が一律に新たな犯罪になったという意味ではありません。個々の行為に対する法的責任と、企業が講じるべき防止措置は別の話です。
KeyHolderは、法施行に伴う方針制定を明記
SKE48のお知らせが案内するKeyHolderのページでは、今回の法施行を受けて、グループのカスハラ対策マニュアルを制定したと説明しています。
内容には、安全を優先し、現場だけで抱え込まず組織で対応すること、深刻な事案では利用停止などの措置や専門家への相談を行うことが含まれています。
また、相談した人を不利益に扱わないことや、記録を再発防止に役立てることも掲げています。ファンに向けた告知に加え、被害を受けた側を会社がどう支えるかという方針でもあります。
SKE48メンバーも対象。DMや位置情報の探索まで具体化
SKE48の文書では、職場におけるカスハラの定義を示したうえで、メンバーに対する同様の言動も、本方針による対応の対象にすると明記しています。
保護対象となる「従業員等」も、正社員だけではありません。アルバイト、派遣社員、役員、所属アーティストやタレント等を含むと説明されています。
行為例には、怒声や侮辱、不当な補償要求、長時間の居座りといったものに加え、アイドルの活動に関わる場面も具体的に挙げられています。
| 場面 | 該当し得る行為として示された例 |
|---|---|
| 問い合わせ・要求 | 不当・過剰な要求、執拗な問い合わせ、過度な謝罪や金銭補償の要求 |
| 会場・施設 | 威圧的な言動、長時間の居座り、不退去、他の来場者への迷惑行為 |
| SNS・インターネット | 誹謗中傷、虚偽情報の拡散、個人情報・写真・映像等の無断投稿、DM等による執拗な接触 |
| 私生活・移動 | 待ち伏せ、つきまとい、尾行、盗撮、私的な接触の要求、位置情報の探索 |
これらは「カスタマーハラスメントに該当し得る行為」の例です。運営は、確認された行為の内容や程度に応じ、方針や関係法令等に基づいて対応するとしています。
特典会や劇場内だけでなく、問い合わせ窓口、SNS、移動や私生活まで含め、活動を取り巻く環境全体を守ろうとする内容といえます。
正当な意見や改善要望まで、カスハラになるわけではない
一方で、「運営に意見を言ったらカスハラ扱いされるのか」と受け取るのも、今回の文面とは異なります。
SKE48は冒頭で、問い合わせや意見、指摘には真摯に耳を傾けると説明。KeyHolderの方針でも、正当な苦情等とハラスメントを分けて扱う姿勢を示しています。
イベントの案内が分かりにくかった、購入した商品に問題があった、現場の対応を改善してほしい。こうした意見を具体的に伝えることまで、一律に否定したものではありません。
ただ、要望に理由がある場合でも、相手を侮辱したり、威圧したり、長時間拘束したりする伝え方は別の問題になります。求める内容だけでなく、その手段や態度も問われるということです。
「警告したからよろしく」から、もう一歩先へ
2日間の発表を続けて読むと、「前日に迷惑行為への姿勢を示し、施行日には会社としての対応方針を示した」という流れが見えてきます。
それは、ファン側に節度を求めると同時に、運営側もメンバーやスタッフを守る役割を担うということ。今後は、困ったときに相談できるか、現場で適切に対応できるかという、方針の実践が大切になります。
安心してステージに立てるメンバー、安心して働けるスタッフ、安心して応援できるファン。そのための仕組みが、日々の劇場やイベントで確かな支えになっていくことを期待したいですね。
公式発表:SKE48「カスタマーハラスメントに対する対応方針のお知らせ」
文:ステージノート

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